レーダーのチカラ!
いや~、さぶ~い~よ~、とうとうこの季節がやって来てしまいました。
冬です! 雪です! いやになっちゃいますねー。
でも冬というのは空気がきれいに澄んで、海も空もなにかこう透き通った感じに見えますね。
雪もきれいだし、それに意外と台風の季節よりも凪ることが多くて、冬のボートライフっていうのもなかなかいいものなんですよ。
でも今日は猛吹雪!
函館ドックが雪煙にかすんで見えます。
これからどんどん視界は悪くなっていきました。
みなさんこんな日に出港してはいけませんよ!
私たちはこの日、とあるお客様のエンジン修理を終え、海上試運転に出たのです。
できるだけ早くお客様の期待に応えたいということで、結果を急いだのですが、こういう状況下では中止すべき作業ですね。 ちょっと反省です。
でもエンジンは快調、異常なし!
レーダーとにらめっこしながら、試運転を続けます。
これはフルノさんのレーダー。 もう十数年前の古いモデルです。 よく動いてるなって感じ。
しかし!これが良く見えるのです!
いやーすばらしいですね。
視界が悪くて心細いときには本当に頼もしいヤツですよ。 ホッとします。 厳しい海のなかで信頼できる仲間に出合ったような感じですね。
レーダー画像は、GPSプロッターの電子海図のようにわかりやすくアニメチックに陸地や物標を表現するわけではありません。
あくまでも発信した電波を跳ね返してくる物体の姿を影のようにとらえているものです。
なので、慣れていない方だと一体なにが映っているのかいないのか、理解しづらいかもしれません。
ちなみに上の画面上で真ん中が自船位置。
7時から8時の方角にまっすぐな線が見えますが、これは函館港の防波堤。
5時から4時の方角あたりのかたまりは、函館ドックの岸壁と桟橋ですね。
かなり実際の形を忠実にとらえています。
これで自分の位置がわかりますね。 このとき実は吹雪がピークで全くなんにも見えてません。 自分がどこにいるのか肉眼ではわかりません。
11時の方角には何か大きな物標が見えますね。 あと、1時半の方角と、3時の方角に小さな物標が見えます。
それぞれなんなのか確かめてみましょう。
11時の物標は大型タンカーでしたね。 時化のため避航していたのでしょうか?
1時の物標をとらえました。 ズームいっぱいで撮影しています。 わかりますか?
もうちょっと近づいてみましょう。
相当近づいてようやく確認できました。 航路標識のブイですね。
次は3時の物標に近づいてみましょう。
函館港の真ん中にいつもあるブイですね。 浮きドック設置のための目印か何かなんだろうか?
目的はよくわかりませんが、函館港を航行する人はみんな知ってる構造物ですよね。 ぶつからないように注意。
そうこうしているうちにだんだん吹雪も弱まってきましたよ。
よかったよかった無事帰れそうです。
天気の良い日はほとんど用事が無いレーダーですが、視界が良くても物体がどのように映るのか見るようにして普段から使い方に慣れておくと良いと思います。
いざ霧がかかったり、雪が降ってからあわててレーダーを頼っても、操作方法がわからなかったり、物標の見極めがうまくできなかったりするものです。
レーダーはその時その時の大気や波の状況によって、感度やSTCやFTCをこまめに調整するものです。
天気の良い日に練習しておきましょう。
あ~さぶ~
2013年11月12日(火)